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プレイセラピーについて

更新日:2022年11月14日

 多くの場合、成人の方のカウンセリングでは、言葉を使ってこころに関するやりとりをおこないます。しかしながら、言葉よりも絵を描く方が、ご自分を表現しやすいという方もいるのではないかと思います。それぞれの人がご自分に合った表現手段を持っているのではないでしょうか。


 子どもの場合はどうでしょうか。中には、言葉でご自分の解決すべき課題や必要としていることを話すお子さんもいると思います。子どもに限ったことではないかも知れませんが、漠然と気持ちが落ち着かない、重たいものがのしかかっている感じがする、というように、何となくこころに負担を感じているのだけれど、言葉ではっきりと表現できないことはあると思います。


 子どもにとって遊びは、今抱えていることを表現する、外に出す手段となります。おそらく、多くの子どもにとって、遊びを通して自分の内側を表現しよう、という意識はないのではないかと思います。遊ぶ部屋にブロックがあるとして、それを使って家を作る子もいれば、学校を作る子もいると思います。遊びを通して、その子の何らかの経験、空想、願望などが自然と出てくるという感じではないかなと思います。その時の子どもの心情によっても、作るものは変わってくると思います。また、一人でもくもくと何かを作りたい時もあれば、誰かと一緒に楽しみたい時もあると思います。あるいは、一度作ったものを壊したい時もあって良いのではないかと思います。


 プレイセラピーは、遊びを使った心理療法で、遊戯療法とも呼ばれます。子どもの心理療法としては、よく使われている方法です。例えば、各自治体の教育センターなどにある教育相談室では、子どものカウンセリングに使われています。私たちも最初にプレイセラピーをおこなったのは、このような教育相談室でした。年齢が上がってくると、言葉での面接が中心になることもありますが、遊びを取り入れた方が話しやすい場合などに、オセロなどのテーブル上でできるゲームをまじえながら話をすることもあります。


 ただ遊んでいれば良くなるのか? という疑問も湧いてくると思います。遊びは一つの手段で、重要なのは、遊びを通してこころに関するやりとりをすることだと思います。私たち心理士は、子どもたちの遊びの中の表現ひとつひとつを吟味しながら、その子にとって今どんな関わりが必要なのかを考えます。時として、1回のセラピーが終わった後で、「あの時の表現はこういうことだったのか。ああ言えば良かった」と思うこともあります。また、子どもの表現にこころを動かされることもあります。子育てをしている方も同じ思いをされているのかも知れないと思います。プレイセラピーでは、遊ぶだけではなく、言葉を使うことももちろんあります。とくに大事なことについては話しあう必要があると思います。その場合、面接の中で、その子がそうしたことについて話しあえる状態にあるのか、もう少し待った方が良いのか、話すことでかえってつらくならないかなどは、慎重に吟味しながら進めていく方がよいのかなと考えています。


 セラピストと信頼関係ができてきた子どもたちの多くは、セラピーを楽しみにして来てくれるようになりますが、次第に、もう大丈夫と思ったり、友達との約束を優先するようになったりして、自然と足が遠のいていきます。


 私たちは主に困った時だけの関わりになりますが、現実や自分と向き合いながらさまざまなことを感じ、考え、変化していく子どもたちとの関わりの中で、私たち自身のあり方についても考えることは多いです。たとえば、思春期のお子さんとのあいだでは、こちら側のあり方をまっすぐに問われることも多いような気がします。


 プレイセラピーは、不安、怒りやかんしゃく、落ち着かない、悲しみ、元気がないといった気持ちの問題のほかにも、かん黙、抜毛、学校での気になる行動、友達関係での困りごとなどを抱えたお子さんにも用いられることがあります。教育相談室に勤務している時は、不登校のお子さんとも会ってきました。


 当心理療法室では、プレイセラピー用のお部屋をご用意しており、お子さんのセラピーにも力を入れております。セラピーの間、保護者の方は別のお部屋で待機していただけます。お子さんと保護者の方に別々の担当者がついて、同じ時間にそれぞれの面接をおこなうこともできます。保護者の方の面接では、お子さんの詳しいご様子をうかがいながら、ご一緒にお子さんについて考えていきます。または、一人の担当者がお子さんのセラピーを中心におこないながら、保護者の方とも月1回などの間隔で面接をおこない、情報共有や振り返りをするという形もおこなっております。


 セラピーの進め方などで、わからないことがあれば、お気軽にお問い合わせください。










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